東海道 その2/東京 東陽町 「とんかつ 田 東陽町店」 2019年9月12日

2020年11月22日

久しぶりに弥次さん(仮名)と食事をすることになった。私が海外赴任していた時の赴任先の同僚であり、色々とお世話になった人だ。午後六時半。ホテルに荷物を置いた私を弥次さんが迎えに来てくれた。私が「とんかつ店に行こうかと思ったんですけど・・・」

と言うと、「えー!僕もとんかついいなと思ってたんですよ!」我が意を得たり、言わんばかりの弥次さん。私がググって目をつけていた「とんかつ 田」は弥次さんも美味しいという。これは期待できるかな。

店のメニューには色々なこだわりが書いてあったが、弥次さんも一緒だったのでろくに見ずにとんかつを選ぶ。

私はどこへ行ってもロースかつ一本勝負である。ヒレかつも食べれば美味しいと思うが、自分で頼むとなると、必ずロースかつになってしまう。たまにはヒレかつとならないのは、やはりロースかつが好きなんだろう。

メニューを見て厳選特上ロースカツ(180g)と月替わり銘柄豚ロースかつ(160g)とどちらにするか迷った。「銘柄豚の種類は何ですか?」と一応聞いてみる。といっても大して銘柄を知っているわけではないのだが・・・すると三元豚だという。

私の勉強不足故、三元豚というと「新宿さぼてん」の三元麦豚ロースかつが頭に浮かぶ。と言ってもさぼてんのお店は行ったことが無いので、私が思い描いたのは家の近所のモールの総菜売り場にある新宿さぼてんの、ショーケースに並んだロースかつ・・・なんだか有難みが無いので銘柄豚はやめることにした・・・

「よし、厳選特上ロースかつ定食にしよ。」というと弥次さんは「じゃあ僕は厳選のヒレにしよ。」

・・・え?・・・じゃあ僕はヒレ?・・・二人でシェアしようってことね・・・

家内と食事に行くと「あ、じゃあ私これにしよ、半分頂戴ね」これはよくある楽しい会話。

いい歳したおじさん二人の食事でこの会話が出るとは思わなかった。弥次さんのこういうかわいいところが私は好きである。

二人ともまだ仕事が終わってないのでビールは止めて純粋に食事を楽しむことにする。

弥次さんと海外の話で盛り上がっていると厳選のロースとヒレがやってきた。180gはやはりボリューム満点で見るからに旨そうだ・・・が・・・

ボリューム満点で

断面の赤身がちょっと強い・・・これでは血の色である・・・

カットして断面を見せているから、たまたま火が通っていなかったのではなく、店はこの状態で提供しようと思っているのだろう。

ちょっとこれは・・・

これぐらいの方が柔らかくて旨いと思う方もいるのだろう。また、私が知らないだけで生焼けの豚肉でも健康的にも問題ないのかもしれない。しかし私は子供のころから鶏肉と豚肉はよく火を通すということを常識として刷り込まれて生きてきたので、前回の「黒かつ亭」のほんのりピンク色ですら、何かイケない事をしているような、ささやかな背徳気分を味わいながら食べているのである。

しかしこの色になるとどうしても気になってしまう。一人で来ていれば「もうちょっと揚げて下さい」と頼むかもしれないが、弥次さんの推薦の店でもあり、さすがに気が引けた。隣を見ると、ヒレカツもやはり赤色が強めである。弥次さんは全く気にするそぶりも無く、美味しそうに食べはじめた。私が気にしすぎなのだろうか?

もう色のことから意識を逸らして食べることにした。

厚切りの肉は柔らかく、噛み応えもあるが、黒かつ亭よりはジューシーさが少なく、淡白な味わいだ。衣もサクッとしており、とんかつソースにはよく会う味で美味しいカツだと思う。しかし、やっぱり最初にビジュアルで抵抗感を植え付けられてしまったので、ガブリ、旨い!とならないのが残念でならない。

食べ進めたが、最後の一切れは特に血の匂いすら感じ、辛子ととんかつソースで乗り切った。シェアしたヒレカツはロースより更に柔らかく、充分美味しいと言える味だった。それだけに「もうちょっと火が通ってればな・・・」

お肉自体は美味しいと思います。ご馳走様でした。

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