三元豚

2020年11月2日

Wikipediaによれば、三元豚(さんげんとん)とは、三種類の品種の豚を掛け合わせた一代雑種の豚を言うそうである。

この一代雑種という言葉に衝撃を受けた。一代雑種・・・つまり子孫を残せないということだ。

何となくのイメージで、私は食用として生まれてきた豚などの家畜も、牧場を逃げ出せば自由な世界があると思っていた。「アイランド」という映画は、富裕層の顧客に臓器や身体の一部を提供するため、顧客のクローンを製造、育成する施設が舞台になっているが、ある時それに気づいたクローンのカップルが施設を脱走する。自分たちが生き延びて人間として暮らしていくために・・・

しかし、三元豚のカップルが牧場を逃げ出したとしても、その先に子供、孫と続いていく未来は無いということだ。最初から食べられるためだけの存在・・・何だか我々は食べるために非常に罪深いことをしているような気がしてきた。

だからと言って明日からベジタリアンになるほどの意思の強さも無く、自分にできることは、せめてとんかつを残さず美味しくいただくことだけである。情けないが・・・

余談が過ぎた。三元豚の説明に入ろう。

 食用に品種改良された豚として、日本ではランドレース、パークシャー等主に6種類の豚が飼育されている。

そのうち3種類の品種を掛け合わせ、各品種のいいとこ取りをした豚が三元豚であり、どの品種を掛け合わせるかで性質か変わる。つまり、三元豚と一口に言っても、掛け合わせている品種は様々であり、肉の味、性質も多種多様であるということだ。

そして日本国内で飼育されている食用豚の大部分は三元豚である。従ってただ三元豚というだけでは普通の豚肉というのと変わらず、 豚肉の特徴の説明にはなっていない。

国内の様々な牧場で、育てられている様々なブランドポークも、その多くはやはり三元豚であり、その中でも主流はランドレース(L)、大ヨークシャー(W)、デュロック(D)の3品種を交配させたLWD三元豚である。