東海道 その1/東京 東京駅「鹿児島 黒かつ亭 東京駅店」2019年8月22日〜ブログの原点、絶品の黒豚とんかつ
8月初めの上京時、とんかつが食べたくてググって見つけたのがこの店だ。
鹿児島黒豚専門の超人気とんかつ店が東京に上陸とある。よしよし・・・と探したが場所がわからない。東京駅一番街と地図まで載っているのだが情けないことに、なんたら街道やら似たような感じのところに迷い込んでしまった。
グーグルマップも地下では只のバッテリー食いでしかない。夜八時、早く食べてホテルに入りたい欲に負け、通りかかった大江戸天丼に浮気してしまった・・・結局とんかつは食べず仕舞い・・・
それが前回の話である。今日こそは、と満を持して来店。
メニューは予めHPをチェックしていた。一頭で10食分しか取れない極上のロースを使用しているという特上ロースかつ定食(220g)2390円(税抜き)、ちと高いがここは妥協できない。これに決める。
席に座ってホッと一息・・・途端に今日一日の疲れが押し寄せてきた。あー、ビール飲みたい・・・しかしこれでビール690円をつけると税込み3000円を超える・・・迷った・・・
私は、人と食事したり飲みに行く時はそれなりに店にこだわるが、一人で食べる食事にはあまり時間もお金もかけない方である。吉野家でも十分なのだ。今回のように店を決めて来るのは珍しい。一人で3000円も使うのは無駄な気がした・・・うーん、やっぱりやめるか。
「特上ロースかつお待たせしました。」お、早いな、と思ったら隣の人の注文だった。そりゃそうだ、いくら何でも早すぎる。メニューには、厚切の肉に火を通すため時間がかかると書いてある・・・まだまだかかるだろう・・・
・・・しかし隣に来たのは同じメニューだ・・・さりげなくチェック・・・おお、横目で見ても旨そうなオーラが漂っている。これは期待できる。そして頼んだ人は年の頃は30代か・・・スーツを着ている。会社員だろうか?
するとその彼が「ビール一つ。」
うーーーー、やられた。しかもこいつデキる・・・先にビールを頼んでしまうと、とんかつが来るまで空きっ腹にビールを飲まなきゃいけないわ、とんかつが来た頃にはビールがぬるくなるわで二本目を頼む羽目になる。いつも飲まない私がたまにビールを飲む時に犯しがちなミスである。
しかし彼は若いのに心得ている。
あーーーー、ビール!、冷えたビールにとんかつ・・・・しかしなあ、特に最近出張が増え、外食も飲み会も増えているのに一人飯に3000円は・・・
待てよ、合計3000円と思うと高いが、ビールは690円。コーヒー2杯分ぐらいじゃないか?それぐらいならコーヒー我慢すればいいんじゃないか?合計するからいけないんだ。よし、ここはビールだ!
明らかにお金のたまらない人の発想だが、そこは目をつぶってビールを頼もうと心に決めた。
「特上ロースお待たせしました。」今度こそ私の番。
う~ん、うっとりするビジュアル。あえて一切れ横向きにした、この断面の溢れんばかりの肉汁の輝きはどうだ。写真を撮ってなかったのが残念だ・・・分厚い肉の芯がほんのりピンクがかっているのが絶妙の火入れ具合、職人技だ。
塩、おろし、とんかつソースの3種の味が楽しめる。
まず、ここは塩で一口食べてみる・・・なんだこれ?・・・なんというジューシーさ!、柔らかさ!・・・しかしただ柔らかいだけではない。噛み締めると、しっかりとした噛み応えと共に肉の甘味が口の中に広がり、そして潔く噛み切れる・・・言葉を失う・・・間違いない。
たった一口食べただけで確信した。これは今までの人生で食べたとんかつの中で文句なくベスト1だ。それも2番手と僅差ではない、どちらが上かと迷うこともなくぶっちぎりのナンバー1だ。しばし箸を止め、ビールを飲むのも忘れて感動していた。これがとんかつか。これこそがとんかつなのか・・・
現実に戻り、箸を進める。今度はおろしだ。これも旨い、サクッとした衣の食感そのままに肉の甘味が更に引き立つ。ビールが進む・・・もう値段で迷った事がばかばかしくなっていた。今日この店に出会えて本当によかった・・・
そしてとんかつソースだが、これは今一つだ。とんかつソースが甘い。もっと普通の淡白な味のとんかつならこのソースもありだろう。しかし、この肉の豊かな甘味、うまみにはとんかつソースの甘味がほとんど意味をなしていない。
以前、イタリアンの川越シェフが言っていた言葉、「肉には塩です」これは私の中にずっと残っている至言である。このとんかつソースは是非塩味の効いた辛めのソースにすべきだと思う。残りのとんかつは全て塩とおろしでいただいた。
至福のひと時が終わった。私の中でNo1のとんかつ店ができた・・・そしてこの感動を誰かに伝えたい衝動が沸き上がってきた。
しかし、それと同時に疑問も出てきた。とんかつは昔から好きだったが、今まであまり名店を探して回ったわけでもない。実は他にもおいしいとんかつ店はいっぱいあるんじゃないか?今まで知らなかっただけじゃないのか・・・
よし、決めた。せっかく出張が多いんだ。出張に行った先で名だたるとんかつ店を制覇しよう。よく行く東京、大阪、そして地元の名古屋を中心にとんかつを食べ歩こう。
それともう一つ・・・とんかつには決して妥協しない・・・
たとえ名店の看板メニューであっても、しょせんとんかつだ。1万円、2万円するわけではない。値段に関係なく、その店で食べるべきだと思ったメニューを妥協せずに食べよう・・・そして・・・とんかつ食べ歩きのブログを書こう・・・
これがこのブログの始まりである。
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