黒豚(バークシャー)
1.概要
バークシャーの純粋種を日本では黒豚と呼んでいる。毛色は黒で、四肢と鼻、しっぽの先の6カ所に白毛があるため、“六白(ろっぱく)”や”六白黒豚”とも呼ばれている。
日本の食用豚肉の主流であるLWD三元豚は大型種の組み合わせであり、体が大きく(1頭からとれる肉が多い)、多産で(どんどん増える)、発育性もいい(育てやすく、病気等で死ぬことが少ない)という生産者にとってコスパに優れた豚肉である。
一方黒豚は、中型(一頭からとれる肉が少なめ)、多産性もやや劣り、肥育日数も長いため、生産者にとっては高コストの品種である。従って、黒豚のとんかつが値段が高いのは、単にブランド化して値段を上げているのではなく、正当な理由があるということだ。
肉質の良さには定評があり、肉の旨味が強く、脂身に甘みがあり、臭みが少ない。農水省によれば国産豚肉のうち黒豚のシェアは5%程度しかなく、希少な豚肉である。
2.黒豚の名称について
以前は黒豚の定義づけがなされておらず、商標登録もされていなかったため、1990年代後半に黒豚ブームが起こり、純粋種でない黒豚が蔓延した。バークシャーと他種との雑種や、バークシャー以外の全くの別物まで黒豚という名称を付けて販売されるケースが多かった。
農林水産省や関係団体等に対して消費者から、「黒豚の表示を多く見かけるようになったが、黒豚の定義を教えて欲しい」、「黒豚と表示されていた豚肉を食べてみたが、普通の豚肉と変わらなかった、黒豚肉と普通の豚肉の違いは何か」などの問い合わせが増加した。
そのため農林水産省が調査を開始し、アンケートや専門委員会での検討を経て黒豚の定義が定められた。
1999年9月より、黒豚と表示できるのはバークシャー純粋種のみとなり、黒豚の肉であると誤認される恐れがあるような表示をすることも禁止された。
参考文献:農林水産省HP(黒豚表示の在り方の検討結果及び黒豚の定義について 「食肉の表示に関する公正競争規約4-1」他)
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