奥州街道 その1/仙台 五橋「かつせい」2019年11月13日~絶品の特ロースかつ

2020年10月21日

「10年ぶりか・・・」仙台空港に降りると、懐かしさがこみ上げて来た。

前回は東北大学で学会があり、大学の先輩と仙台名物の牛タンに舌鼓を打った。今回何を食べるかは言うまでもない。

「仙台五橋かつせい」。仙台、とんかつでググると食べログやRettyでトップに表示されるこのお店。仙台一との呼び声高い行列必至の名店とある。

五橋駅から5~6分歩くと見えてきた。

11時6分。開店が11時なのに既に7割方席は埋まっている。これは行列ができるだろう。お客さんは日本人ばかりで旅行者風は私だけだ。

白髪のかなり背中が曲がった親父さんに奥さんと思しき人が厨房にいる。それともう一人、娘さんだろうか?40台に見える女性の3人だ。

メニューは定食と一品料理に分かれている。特ロースかつがお薦めのようなので単品の特ロースかつ、ご飯、なめこ汁に決定。特ロースかつ1200円ご飯180円なめこ汁180円

落ち着いて店を見渡すと、古びた渋い店内である。四人掛けのテーブルが一つ、カウンターが5席、そして小上がりに四人掛けのテーブル3卓があり、テレビが点いている。もれ聞こえる会話からすると地元客が多そうだ。

11時24分、ついに二人並んだ。次々ととんかつが運ばれていくが、まだ来ない。わたしのまえに14、5人のオーダーがあったので、なかなか来ない。70代には届いているだろうという親父さんは次々ととんかつを揚げていく。

待っている間、店のあちこちに目が行く。照明は薄暗く、古い内装はところどころ剥げているが、テーブル等掃除はきれいにされているようだ。入り口入って右側、私の座っているテーブルのすぐ近くに荷物が積んであるのは何とかならないだろうか。私はこういうところが気になる性質である。

入り口脇の荷物。手前に見えるのは私のキャスターバッグのハンドル。

そんなことを考えていると、待ちに待ったとんかつがやって来た。

おお、迫力のボリューム、かなりの厚みがある。衣が立っており、見るからに旨そうだ。横にカットしてあるのは初めてだが、食感に違いがあるのだろうか?流行る心を落ち着かせ、断面チェック。

特ロースかつ、ご飯、なめこ汁 一式1,560円
光輝く断面

おお、ほのかなピンク色、それにこの湧き出んばかりの肉汁・・・待ちきれない。まずは塩だ。瓶入りの普通の塩だが、断面に振りかけてパクリと一口。 

ちょうど一切れが丸ごと口の中に入る大きさだ。なるほど食べやすい・・・そして、肉はしっかりとした歯ごたえがあり、噛み締めると肉汁と旨味が口の中に広がる・・・旨い、旨いぞ。肉の産地や銘柄などの表示は無いが、いい肉を使っている。流石仙台一と噂されるだけのことはある。

衣もサクッとしている。パン粉の肌理や質に拘っているのだろう。サクッとして旨い・・・

ただ・・・ただ一つだけ残念なことに、食べ進めるに連れ、とんかつの下側の衣がベチャッとしてきた。最初の一切れはそうでも無かったがなかったが、とんかつの下側、お皿と接している部分の衣が油を吸ってベチャっとなってしまっているのだ。

とんかつ店では、油切りのために金網の上にかつを乗せている店が多い。広島の「とんかつ専門 とんき」は皿の上に直接載せていたが、そこはパリッとした薄い衣なので、一旦油切りをすれば十分なのだろう。

しかし、この「かつせい」のとんかつはしっかりとした衣で、その分油を吸っている。油から上げた時に油切りをしているだろうが、それでも後から油が染み出してくる。旨いとんかつなので、是非金網に載せるなどして、衣のサクッとした食感を保ってほしいと思う。

「有難うございました!」店を出るとき親父さんの元気な声が背中を押してくれた。思わず顔がほころんだ。いい店だ。親父さんも元気に店を続けてほしい・・・そう思いつつ駅に向かって歩き出した。

ごちそうさまでした

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