東海道 その10/名古屋 東桜「とんかつ マ・メゾン東桜店」2019年12月26日~老舗の洋食店が展開するとんかつ専門店
「マ・メゾン」と言えば名古屋の老舗の洋食店で、複数店舗展開しているが、いつの頃からかとんかつ専門店も始めた。数年前に金山の「とんかつ マ・メゾン」でランチを食べ、普通に美味しかった気がするが、色々食べ歩いている今はどう思うだろうか・・・
「とんかつ マ・メゾン」として初めてオープンしたのが、この東桜店らしい。看板にも「とんかつ マ・メゾン本店」と書いてある。
店の正面の大きな看板の文字に目が止まった。「熟成豚とんかつ・・・熟成・・・大丈夫か?・・・」
札幌の「とんかつ さんか」の小樽ワイン熟成の豚肉を思い出し、ちょっと身構えた。いや「とんかつ さんか」が悪い訳ではない。充分美味しいとんかつだったが、独特の匂いが私には合わなかった。また熟成臭がしなければいいが・・・
店内も洋館風の外観に見合う落ち着いた佇まいだ。テーブルは4人掛け4卓 2人掛け3 卓、壁に向かって一人掛けの小テーブルが1卓 、カウンター8席 。2階もあるが客席があるかどうかはわからない。厨房がよく見えるカウンターに座る。さあ、メニューだ。
ランチメニューも充実しているが、私はお得感より質にこだわりたいので、基本的にランチは頼まない。通常メニューを見てみよう。
通常メニューは標準的なラインナップだが、ロースかつ定食が1,480円、上ロースかつ定食は値段が書いていない。月替わりとあるから、月替わりで違う種類の豚で、値段もその都度違うということだろう。内容を聞いてみようと思ったら、机の上に2種類のメニューがあるのに気が付いた。
「特撰 粉雪ポークとんかつ定食」1,980円と「北海道十勝産ホエー豚のロースかつ定食」1,680円。ホエー豚は聞いたことがあるが粉雪ポークは聞いたことが無い。説明によれば三元豚であり、粉雪のようなサシが入っているという。すると結局ただの三元豚で、サシの入った部分を粉雪ポークと称している可能性も否定できない。
それなら「ホエー豚」と思いかけたが、このチラシを作った人の感性は素晴らしい。「粉雪のようなサシが入った口溶けの良い豚」である。「口溶けの良い」と来ればスイーツを連想するが、ここで「豚」を持ってくるセンスは只者でない。「粉雪ポーク」のロゴデザインも気に入って、なんだか美味しいような気がしてきた。粉雪ポークの方が値段が高いし、旨いんじゃないか?よし、「特撰 粉雪ポークとんかつ定食」だ。
注文してほっと一息。座り直すと目の前が厨房である。20代か30代 の男性が一人でとんかつの調理を担当している。フライヤーから音がしている。調理担当の人は下ごしらえをしながら時折揚がり具合を見ている。厨房にはあと女性が一人おり、そしてウエイターが一人。計3人で廻しているようだ。時刻は12時半。そろそろ店内が混んできた。
とんかつソースは甘口、辛口の2種類あり、ウスターソースは洋食屋マ・メゾンのオリジナルだ。
色々見ていると厨房でタイマーが鳴った。やはり揚げ時間を管理している。 火入れぐあいはどうかな・・・と思うとやって来た。
厚さは標準的だろう、やや厚切りな感じだ。衣の色がやや濃い。断面を見てみよう。
赤みがほんのうっすらと残っている。中まで火が通っているが、通り過ぎてはいない感じだ。まずはセオリー通り塩だ。塩は岩塩をミルで引いて使うかたちで、専用の皿があった。
衣はサクッとしており、適度な厚切り肉とマッチして旨い。見た目の割にはジューシーさが若干少ない。 肉は柔らかいが、口溶けがいいというほどとろける感じでもないし、ジューシーでもない・・・まあ専門店としては普通の旨さだと思う。
ただ、やはり肉の匂いが気になっている・・・熟成肉だからか・・・しかし「とんかつ さんか」で感じた匂いともちょっと違う。これは豚肉自体の匂いだろうか?肉の匂いに敏感になりすぎているのか?
自分の感覚に自信が持てなくなっていた。といっても元から自信があった訳ではないが、以前は様々な店でとんかつを食べる度に普通に楽しめたのに、やたら分析するようになってしまった。本当に美味しいと思える店が少ない・・・
最後のふた切れはかなり脂が多い。ここは赤みが目立つ。やはり脂身の方が熱が通りにくいのだろう。ここはソースで平らげる。脂の多い端の方は好きでない人も多いだろうが、私はこの端の部分をとんかつソースで食べるのが好きだ。
デザートに柚子のシャーベットがつくのが嬉しい。
チラシにあるような口溶けの良さは感じなかったが、普通に美味しいとんかつだったと思う。しかし自分の味覚嗅覚に迷いが出始めたのが気になる・・・近いうちにブログ原点の「黒かつ亭」に行ってみよう・・・
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