本願寺街道 その1/札幌 南郷7丁目「とんかつ さんか」2019年11月14日~ワインで熟成させたジューシーとんかつ
嵐のライブに嵐が来る・・・2019年11月14日の今日、嵐ファンが集う札幌に爆弾低気圧がやってくる。各種メディアの報道に嵐ファンの方々は気が気でないだろう。そんな大変な時に嵐ファンでもないのに札幌に来ている私・・・
仕事なんです。いくら私でもとんかつ食べるためだけにわざわざ札幌来ません・・・いやホントに。
昨日は仙台で一泊し、今朝の飛行機で札幌に移動、その足でやってきたのは「とんかつ さんか」小樽産の赤ワインで熟成させたとんかつだと言う。
南郷7丁目の駅を出ると、流石に風が冷たい。2、3分歩くと店の前だ。
え?スナック?・・・およそとんかつ店らしからぬ店構え。いや「とんかつ さんか」と書いてある。ここで間違いない。すると入り口左側にあるモノが否応無しに目に入った。
出た、豚のマスコット・・・(「矢場とん 名古屋名駅店」参照)。御丁寧にキャベツを小脇に抱えているのは「鴨がネギ背負ってやって来た」というのと同じ感覚だろうか?しかも手招きしている。更に・・・更にドアに貼ってある黄色いのは食べログステッカー・・・(「とんかつ む蔵」参照)
大丈夫なの?ここ、本当に・・・いきなりのワンツーに心が折れそうになるが、今更店を変えられないのは分かっている・・・昨日の「かつせい」は良い店だった。その引きの強さがまだ続いていればいいが・・・
店に入ると、店内はゆったりしており、居心地がいい感じだ。
厨房はあまり見えないが女性が3人居るようだ。
「お一人様ですか?カウンターでもいいですか?」と聞いてくれた。もとより私はカウンターに座るつもりだったが、当然のようにカウンターに案内されるより、こうして聞いてくれた方が気遣いを感じる。さて、メニューだ。
豚の銘柄は三元豚か樽前産湧水豚の二種類ある。こういう2択だと樽前産湧水豚は三元豚では無いように読める。樽前産湧水豚と言うのは聞きなれなかったので店を選んだ時点でググってみた。
ビクトリーポークという会社が樽前湧水豚というブランドの肉を販売しているが、そこには「本家樽前湧水豚」とある。ブランド豚の大部分は三元豚なので、樽前湧水豚も三元豚だろう。
そしてこの「とんかつ さんか」は樽前産湧水豚としており、微妙に名前が違う。しかもさんかでしか味わえないとしているので、違う豚肉なのか?気になったが店の人に聞いてもよくわからなかった。
あくまで私の推測だが、樽前湧水豚と樽前産湧水豚は同じだろう。だから三元豚か樽前産湧水豚かというのは、普通の三元豚かちょっとプレミアムな三元豚かという違いだと思う。とりあえず樽前産湧水豚のロース200g(2000円)を注文した。
「写真はヒレですが、ロースで間違いないですか?」とわざわざ確認してくれた。「揚げ時間15分ほどかかりますのでよろしくお願いします。」ここでも気遣いが光っている。接客は非常にいいと思う。
「小樽ワインで熟成とはどういうことですか?ワインに漬け込んでいるんですか?」と聞くと「ただワインに漬けてあるわけではないんです。ただそれ以上はちょっとお話できないんですが」との回答だった。企業秘密という訳ね・・・
待つ間メニューをチェックすると、ランチメニューが豊富に用意されている。
カウンターの上にはワインの瓶、これが熟成に使っている小樽ワインである。色々なこだわりもあるようだ。
色々チェックしているうちにやってきた。
うーん、なかなかのビジュアル。肉汁を湛えた断面の照り・・・ほんのりピンク色で火入れ具合もgood!衣もサクッとした音が聞こえてくるようだ。お約束の塩で一口。
やはり衣がはサクッとしている、そして柔らかでしっかりとした食感の肉。かみしめると肉汁が広がり、ジューシーで旨い・・・が・・・
パクリと一口噛み締めた時、独特の香りが鼻に抜けた。ワインの香りだ・・・しかしそれだけではない別の香りが混じっている・・・これは熟成臭だろうか?嗅いだことのある香りである。
私は食べるものの香りに敏感で、香りが気になると味わいが半減してしまう。だからあくまでこの香りは私が感じただけで、気にならない人も多いのだろう。とんかつの味わいしては、十分以上にジューシーで旨いとんかつだと思う。
しかし、私にはこの香りが食欲をそそる香りではなかった。思い切って言うと、スーパーで賞味期限が迫った豚肉を買った時、部分的に変色していることがある。その時に漂う匂い・・・もちろんそれよりはずっと弱いが、同質の匂いがワインの香りに混じっているのである。
ワインで熟成させているということなので、一定期間、肉を寝かせている間につく匂いなのかもしれない。私は熟成した豚肉は食べたことがないので、香りに慣れていないだけ、ということもあり得る。実は熟成肉では当たり前の香りなのだろうか?
なるべく香りを気にしないよう味に意識を集中させて食べ進めた。先に書いたように、味は旨いとんかつである。ただ私にとっては香りが残念で、せっかくのとんかつを楽しむことができなかった。
外へ出た。風が冷たい・・・爆弾低気圧の気配をヒシヒシと感じる。明日の飛行機は飛ぶのだろうか?
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